B型肝炎の検査方法と費用、給付金についてアディーレ弁護士が解説

「B型肝炎ウイルスに感染しているかもしれない……。感染したかどうかはどうやって調べればいいんだろう。費用はどのくらいかかるんだろうか。」

B型肝炎ウイルスに感染したかどうかは、血液検査によって調べることができます。
また、自治体によっては、無料で血液検査をしていることもあります。

さらに、B型肝炎ウイルスに長期間感染している方については、所定の条件を満たせば最大3600万円のB型肝炎給付金をもらえる可能性があります。

今回の記事では、

  • B型肝炎ウイルス感染の検査
  • B型肝炎給付金

について、アディーレ弁護士が解説します。

B型肝炎ウイルスの血液検査

B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査によって調べることができます。
B型肝炎ウイルスに感染すると、血中にB型肝炎ウイルスやその一部が流出したり、また、ウイルスを排除しようとする抗体が血中にあらわれたりします。

これらを血液検査によって測定することによって、現在B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかや、現在は感染していなくても過去に感染したことがあったかなどを確かめることができます。

ここでは、HBs抗原、HBV-DNA、HBe抗原、HBc抗体の4つの検査項目について解説します。

(1)HBs抗原

HBs抗原とは、B型肝炎ウイルスの外郭を構成するたんぱく質の1つです。血中にこのたんぱく質が存在していると、B型肝炎ウイルスに感染しているということになります。血中にHBs抗原が存在しない場合には、B型肝炎ウイルスに感染したことがないか、または、既往感染(過去に感染したことがある)ということになります。

HBs抗原陽性=B型肝炎ウイルスに現在感染している

(2)HBe抗原

HBe抗原とは、B型肝炎ウイルスの内部核を構成するたんぱく質の1つです。B型肝炎ウイルスが増殖する際に過剰に作られ、その一部はB型肝炎ウイルスの内部核を構成し、残りは血中に放出されます。

血中にこのたんぱく質が存在すれば、B型肝炎ウイルスに感染していることを意味し、その量が多ければ多いほど、B型肝炎ウイルスが体内で活発に増殖していることになります。

HBe抗原陽性=現在、B型肝炎ウイルスに感染している。

数値が高いほど、B型肝炎ウイルスが活発に増加中

(3)HBV-DNA

HBV-DNAは、B型肝炎ウイルスの遺伝子です。HBV-DNAが陽性であれば、B型肝炎ウイルスに感染していることを意味し、その量が多ければ多いほど、B型肝炎ウイルスが体内で活発に増殖していることになります。

HBV-DNA陽性=現在、B型肝炎ウイルスに感染している。

数値が高い多いほど、B型肝炎ウイルスが活発に増加中

(4)HBc抗体

HBc抗体とは、HBc抗原に対して身体の免疫反応により作られる免疫抗体です。
HBc抗体には、IgM-HBc抗体とIgG-HBc抗体の2つがあります。
IgM-HBc抗体は、感染初期に高力価で出現し、その後、短期間のうちに陰性になります。陰性になった後は、基本的には陰性のままなのですが、キャリアの急性増悪やB型慢性肝炎急性増悪を起こした場合には低力価で出現する場合があります。
IgG-HBc抗体も、比較的感染初期に出現します。

もっとも、IgG-HBc抗体は、感染後短期間で消失するIgM-HBc抗体とは異なり、感染を維持する限り、増加を続けます。そして、既往感染に至ると、緩やかに減少していくのですが、消失することはないと言われています。

この検査で陽性であれば、B型肝炎ウイルスに感染したことがあることを意味し、高力価陽性であれば、持続感染したことがあることを意味します。

項目結果判明すること
IgM-HBc抗体高力価陽性B型急性肝炎
低力価陽性キャリアの急性増悪、B型慢性肝炎急性憎悪
IgG-HBc抗体高力価陽性持続感染したことがある
低力価陽性感染したことがある

B型肝炎ウイルス検査の受診方法

B型肝炎ウイルス検査は、ほとんどの医療機関で受けることができます。
また、お住まいの市区町村で無料の検査を受けることができる場合があります。

市区町村での無料検査

住民票登録をしている市区町村で、B型肝炎ウイルスに感染しているか(HBs抗原陽性か)無料で検査を受けることができる場合があります。

ただし、「過去にB型肝炎ウイルスの検査をしていない」などの条件が付いていることがありますので、ご自身が対象かチェックしてみるとよいでしょう。

また、この検査でHBs抗原陽性となった場合、精密検査の費用を一部助成している自治体もあります(東京都など)。

※なお、市区町村での無料検査を経ていなくとも、一定の条件を満たせば精密検査の費用の助成を受けられる場合もあります。

参考:肝炎検査|北海道

参考:初回精密検査費用助成|東京都福祉保健局

その他の医療機関

その他の医療機関でも、ほとんどのところで、B型肝炎ウイルスの検査を受けることができます。

基本的には、検査に必要な費用は、医療保険の対象です。

ただし、症状が全くない場合などには医療保険の対象にならないこともありますので、検査を受ける前に、医療機関に問い合わせるとよいでしょう。

献血や、妊婦検診、手術前の検査で、一律にB型肝炎ウイルスの検査がされることも多いです。

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B型肝炎ウイルスに長期間感染した方は給付金をもらえることも

B型肝炎ウイルスは血液や汗などの体液を通じて、感染が広がります。

例えば、注射器の使いまわしは、B型肝炎ウイルスの感染原因の一つです。

ところが、かつて、国の指導が不十分であったため、全国の集団予防接種等で注射器の使いまわしがされていました。これにより、最大40万人以上がB型肝炎ウイルスに感染したと推計されています。

参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省

この注射器の使いまわしは、1948年7月1日から1988年1月27日までの約40年間も行われました。そして、この集団予防接種等によりB型肝炎ウイルスに感染した人から、さらにその子孫にB型肝炎ウイルスがうつるという、二次感染・三次感染も起きています。
このような経緯を踏まえ、次の方が、国から最大3600万円のB型肝炎給付金をもらえる法律ができました。

・集団予防接種等によりB型肝炎ウイルスに持続感染(6ヶ月以上の感染)した一次感染者、

・またその一次感染者から、母子感染・父子感染により二次感染した方

※母子感染:妊娠中・出産時に母から子へB型肝炎ウイルスがうつること

父子感染:日常生活等で、父から子へB型肝炎ウイルスがうつること

・二次感染者から、母子感染・父子感染により三次感染した方

ご本人が亡くなっている場合には、相続人が代わりにB型肝炎給付金を請求できます。

【まとめ】B型肝炎ウイルスへの感染の有無は、HBs抗原検査等の血液検査によって調べることが可能

本記事をまとめると以下のようになります。

  • B型肝炎ウイルスへの感染の有無は、HBs抗原検査等の血液検査によって調べることが可能
  • B型肝炎ウイルスへの感染を調べるための血液検査は、ほとんどの医療機関で受けることができ、住民票を登録している市区町村で無料検査を受けられる場合がある。
  • 6ヶ月以上B型肝炎ウイルスに感染した方は、最大3600万円のB型肝炎給付金を国からもらえる場合がある。

アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の請求のために必要となる戸籍や医療記録(カルテなど)をご依頼者の代わりに収集し、B型肝炎給付金の受給を全力でサポートいたします。

資料の収集に加え、訴状等の専門文書の作成や、裁判所への出廷の代理についても、弁護士が対応させていただきます。

また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・B型肝炎給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。

そのため、B型肝炎訴訟・B型肝炎給付金請求についてアディーレ法律事務所にご依頼いただく場合、原則としてあらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

さらに、弁護士に依頼して、B型肝炎訴訟で和解した場合には、国から弁護士費用の一部として、訴訟手当金(給付金の4%)が支給されます。

B型肝炎訴訟・B型肝炎給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・B型肝炎給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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この記事の監修弁護士
大西 亜希子
弁護士 大西 亜希子

社会生活において問題が生じた場合に,本当なら解決のための手段がたくさんあるにも関わらず,手段があることを知らないがために辛く苦しい思いをされている方を見てきました。ひとりで悩まず,まずは弁護士にご相談ください。依頼者の方の立場になって,問題の解決のお役に立てるよう精一杯努力いたします。

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